2007.3.20
犯罪による収益の移転防止に関する法律(案)に関する
全宅連の取り組みについて

「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(案)が2月13日に閣議決定されました。
この法律は、マネーロンダリング対策として国際的合意に基づくもので、テロ資金その他の犯罪収益の流通に係る国内の実態や国際的な要請に対応するものです。

法案の概要は

@ 顧客の本人確認
A 本人確認記録及び取引記録の保存
B 疑わしい取引の主務官庁(宅地建物取引業の場合は都道府県知事または国土交通大臣)への届出

この法律策定に当たって、全宅連では宅建業者に過剰な負担がかからないよう、要望を行うとともに意見を述べてきました。
その結果、国土交通省より、『疑わしい取引』については、これを判断するに当たっての明確な基準の策定に対応を図る旨の回答を得ました。

この法律案は、成立・公布後1年以内の施行が予定されていますので、全宅連では施行されるまでに制度の概要などの手引書やリーフレットを作成し、 会員への周知を図ってまいります。







2007.3.20
敷金(原状回復)トラブルの未然防止に向けて
建物賃貸借の重要事項説明等について

標題について、小額訴訟を含め相変わらずトラブルが多発していることに鑑み、 改めて原状回復等敷金の運用・取扱を確認するよう通知がありました。行政の指導文書を掲載しますので、遺漏のないよう取り組んでください。


埼玉・千葉・神奈川各県土整備部長連名による平成16年9月10日付通知文

宅地建物取引業者は、建物(居住の用に供するものに限る。)の賃貸借契約の成立前において、宅地建物取引業法 (昭和27年法律第176号)第35条第1項第12号の規定による同法施行規則第16条の4の2第7号で規定する「契約終了時において 精算されている金銭の精算に関する事項」に関連して、原状回復費用として敷金が充当される予定があることを説明する際には、国土交通省及び 財団法人不動産適正取引推進機構により作成された「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(改訂版)」(以下「ガイドライン」という。) を参考とし、建物を借りようとする者に対して、次の1及び2について説明し、原状回復に係る紛争の未然防止に努められたい。

ガイドラインでは、敷金清算に当たっての原状回復を、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、 賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を越えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義していること。

ガイドラインで示す賃借人の負担の範囲を越える特別な負担を課す特約を付す場合、その特約の具体的な内容。

なお、2の特約が付される場合、宅地建物取引業者は、ガイドラインでは「経年変化や通常損耗に対する修繕義務等を賃借人に負担させる特約は、 賃借人に法律上、社会通念上の義務とは別個の新たな義務を課すことになるため、次の要件を満たしていなければ効力を争われることに十分留意すべきである」 としていることについて、ことが望ましい。

(賃借人に特別な負担を課す特約の要件)

@ 特約の必要があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
A 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を越えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
B 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること

また、宅地建物取引業者が賃貸借契約書を作成する場合、賃貸住宅標準契約書 (平成5年3月9日建設省建設経済局長・住宅局長から都道府県知事あて通知)を活用されるよう努められたい。







2007.3.20
国土利用計画法に基づく
事後届出制について

国土利用計画法は、 「土地取引規制制度」 を定めた法律です。

昭和から平成初期の バブル期 における地価抑制のための法律と理解している向きが少なくありませんが、当時の 売買価格の事前協議 制度は、もともとの国土利用計画法に 特別監視区域 を加える変更をして運用されたものです。 バブルが収まって、特別監視区域に関する規制は終了しましたが、国土利用計画法は存続しています。

平成10年の改正で、事前の許可又は届出が必要な 規制区域、注視区域、監視区域 以外は、事後となりましたが、届出の義務は残っていますので留意してください。

     市街化区域    では 2,000u以上、
     市街化調整区域 では 5,000u以上、
     都市計画区域外 では10,000u以上
の土地について、権利の移転又は設定を受けることとなる者が、契約締結の日から起算して2週間以内に届出ることとなっています。

尚、このことは宅建業法上、宅建業者が売主業者として又は媒介業者として説明が義務付けられている 重要事項 に該当していますので注意が必要です。

以下に、関連条文を紹介します。


国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)(抄)

(土地に関する権利の移転又は設定後における利用目的等の届出)
第二十三条
 土地売買等の契約を締結した場合には、当事者のうち当該土地売買等の契約により土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる者 (次項において「権利取得者」と言う。)は、その契約を締結した日から起算して二週間以内に、次に掲げる事項を、国土交通省令で定めるところにより、 当該土地が所在する市町村の長を経由して、都道府県知事に届け出なければならない。
土地売買等の契約当事者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
土地売買等の契約を締結した年月日
土地売買等の契約に係る土地の所在及び面積
土地売買等の契約に係る土地に関する権利の種別及び内容
土地売買等の契約に係る土地に関する権利の移転又は設定後における土地の利用も区的
土地売買等の契約に係る土地の土地に関する権利の移転又は設定の対価の額(対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として見積った額)
前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
2 前項の規定は、次のいずれかに該当する場合には、適用しない。
次のイからハまでに規定する区域に応じてそれぞれの面積が次のイからハまでに規定する面積未満の土地について土地売買等の契約を締結した場合 (権利取得者が当該土地を含む一団の土地で次のイからハまでに規定する区域に応じてそれぞれの面積が次のイからハまでに規定する面積以上のものについて 土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる場合を除く。)

都市計画法第七条第一項の規定による市街化区域にあっては、二千平方メートル

都市計画法第四条第二項に規定する都市計画区域(イに規定する区域を除く。)にあっては、五千平方メートル

イ及びロに規定する区域以外の区域にあっては、一万平方メートル
二 第十二条第一項の規定により指定された規制区域、第二十七条の三第一項の規定により指定された注視区域又は 第二十七条の六第一項の規定により指定された監視区域に所在する土地について、土地売買等の契約を締結した場合
三 前二号に定めるもののほか、民事調停法による調停に基づく場合、当事者の一方又は双方が国等である場合その他政令で定める場合

第四十七条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第二十三条第一項又は第二十九条第一項の規定に違反して、届出をしなかった者
(略)
第二十三条第一項、第二十七条の四第一項(第二十七条の七第一項において準用する場合を含む。) 又は第二十九条第一項の規定による届出について虚偽の届出をした者








2006.11.20
宅建業法及び宅建業法施行規則改正に伴う
重要事項説明書の追加項目

宅建業法及び宅建業法施行規則が改正され、重要事項の説明に 「瑕疵を担保すべき責任に関する保証保険等の措置の内容」 が追加されました。

この改正は、平成18年12月1日公布、同20日施行となっており、県協会の「宅建ニュース」12月号、全宅連の「リアルパートナー」新年号で詳細をお知らせすることになっていますが、 周知期間が短いことから急遽お知らせいたします。

なお、全宅連策定の重要事項説明書、売買契約書につきましては施行日までに記載要領等が全宅連ホームページに掲載される予定ですので、 閲覧・確認のうえ遺漏のないよう対応してください。


瑕疵担保責任の履行に関する措置について
(1) 重要事項説明書の追加説明事項

(宅建業法第35条第1項第13号)
当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結その他の措置で国土交通省令で定めるものを講ずるかどうか、 及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要


(2) 瑕疵担保責任の履行に関する措置

(宅建業法施行規則第16条の4の2)
法第35条第1項第13号の国土交通省令で定める措置は、次の各号の一に掲げるものとする

@ 当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関する保証保険契約又は責任保険契約の締結

A 当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関する保証保険又は責任保険を付保することを委託する契約の締結

B 当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関する債務について銀行等が連帯して保証することを委託する契約の締結


「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方について」

(宅建業法第35条第1項第13号関係)
  〜 中略 〜
 なお、本説明義務については、瑕疵担保責任の履行に関する措置を講じること自体を宅地建物取引業者に義務付けるものではないことに留意すること。


売買契約書の記載事項の追加

(宅建業法第37条第1項第11号関係)
当該宅地若しくは建物の瑕疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置についての定めがあるときは、その内容


※ 上記に関する資料は、下記ホームページでご覧になれます。

@ 全宅連ホームページ  ⇒ 「宅建協会会員ログイン」 ⇒ 「平成18年度法令改正情報」
A 国交省ホームページ  ⇒ 「不動産に関して」